コラム『認知症の方の財産管理について』。

親の年金をカードで当たり前のようにおろして使っているが…法的には横領になる可能性がある。親がしっかりしていれば、自分では銀行に行けないからおろしてきて欲しいと、頼まれてやっているなら代理行為なので全く問題ない。もしも親が認知症の疑いでもう自分では何もわからないから、私が通帳を管理してやってるんだと、親の年金をおろして勝手に使っているなると、あまりよろしくない。厳密にいうとそういうことになる。たいていの人は当たり前のようにしてるけど、ここまで考えてる人はいないかもしれない。銀行は認知症と疑われる人を発見したら、諸般を確認して口座の取引を停止する場合がある。銀行にはご本人様が管理できないなら後見人をたててくださいと言われる。もし親が認知症と診断されたら私は後見人の申し立てをしたほうが良いのだろうか?

認知症だからすぐに後見人をたてる必要があるわけではない。生計を同一にしている家族ではお金の管理が厳密になりすぎて逆に生活に不便を生じることになる場合もある。生命の危険、緊急の事由、本人の権利利益が侵害される等なければ、すぐに後見人をたてる必要はなく慎重に検討した方がいいかもしれない。