「はこや」その由来が深すぎる店名(コミュニティカフェ:やなぎ社会福祉士事務所)
今春にオープンする
「終活を考える、地域課題を解決する地域交流コミュニティカフェ」
店名は「はこや」に決めました。
その由来は柳家の明治時代の家業、箱屋(タンス屋)から来ている。
この地域で「はこや」と言えば、柳辰夫さん宅(昔はせっちゃん家)とすぐに特定できるからです。
昔から柳家にはたくさんの方々の交流があった。
箱屋に住み込みでたくさん人を雇って働いてもらっていた、お客さんや業者の出入りもあり、地域でも常に賑わっていた家であった。
私が子どもの頃は、家が書道教室の会場となり、地域で子どもたちの遊びの場ともなっていた。また地域の会合(いわゆる寄り合い)でいつも人が押し寄せていた。
どういうわけか先祖代々の嫁がみんな社交的で、家に人を呼び、行きやすい来やすい家として評判でした。
亡くなった母親の元にはいつもたくさんの人が集まり、今でいえば介護事業所のごとく自宅でミニデイサービスを行っていた。とにかく人をおもてなす精神が旺盛でした。母の口癖が「お客に箸を持たせずに帰すな」でした。
私が仕事から帰ると何台もの車が家の前に停まっていて何があったのだとビックリしたものです。保育園の終わった子ども達がママさんと家に遊びに来て、まるで学童保育のようでした。
現在の妻は1年半前に岐阜市から嫁に来ましたが、彼女も過去の嫁に勝るとも劣らず社交的で、初対面の人でも関西圏のノリとつっこみですぐに仲良くなってしまう。そして、「よーしゃべる」、ずっと喋べりっぱなしです。
カフェも私よりもやる気になって、母親の遺品や私の荷物で足場のないほどのゴミ屋敷を一人ですべて片付けてしまった。何もなくなった古民家はいつでも改修工事に入れます。半年前からカフェを始めるとあちこちで喋りまくり、内装やメニューなども自分でどんどん考えている。
この家「はこや」は、とにかく昔から人が集まる家、人が来やすい家だった。その「はこや」をカフェの店名にすることに、ご先祖様も了解してくれると思う。
妻についてですが…
ほとんどの人が、あなたはどうしてこんな田舎の見ず知らぬ土地にその歳でわざわざ嫁に来たんだと完全に不思議に思われている。
その理由を聞かれたときに妻は、「せっちゃんに呼ばれたから」と言っている。
”せっちゃん”というのは亡くなった私の母親の名前です。もちろん妻は母に会ったことはありません。でも妻は毎日母親に線香をあげながら、「たっちゃんは大丈夫だよ、私がいるから」と母親に言っています。
歴史上女系が活躍する柳家は、家の存続のために嫁が女手ひとつで手腕を発揮して柳家の幾度のピンチを乗り切ってきたらしい。
亡くなる前に母親は私のことや家のことをとても心配していた。入院する直前まで、結婚相手を紹介してもらうように人に頼むからと、50歳を過ぎた息子(私)に向かって枕元で何回も言っていた。
母親が妻を呼んでくれなかったら、私一人だけではカフェは開けなかったでしょう。
もしかしてこの家でコミュニティカフェを開く歴史は、もうずっと前から決まっていたのかもしれない。たまたま私がその時代に居た。ただそれだけかもしれない。
やなぎ社会福祉士事務所 代表 柳辰夫(終活ガイド)